ヴィキングル・オラフソン ピアノリサイタル@香港文化センター〜ゴルトベルク変奏曲

オラフソン、ゴルトベルク香港公演 -ラン・ラン

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表紙写真:lcsd

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現在ゴルトベルク変奏曲を88回弾くワールドツアー中のヴィキングル・オラフソンがこの度香港にも来てくれた!(記事では”オラフソン”って呼ばせていただきます〜) オラフソンについては「角野隼斗さんが以前”大好きなピアニスト”と言ってたな〜」くらいの認識だったわたし。行くのはムリと思ってたら都合がついた!かなり直前だけどチェックするとまだ席がある♡ってことでチケット直ちにゲット。行ってきました〜

 → Piano Recital by Víkingur Ólafsson

↓この記事中「角野隼斗さんの音楽を知る」で貼った動画の中で角野さんがオラフソンについて話してたの聞いた!今回又見て改めて学びました〜

ヴィキングル・オラフソン

プロフィール

↓ウィキペディアから

ヴィキングル・オラフソン(Víkingur Ólafsson、1984年2月14日 – ) は、アイスランドのピアニスト。

ジュリアード音楽院でロバート・マクドナルドのクラスでピアノを学ぶ。2008年卒業。ジュリアード・オーケストラ、アイスランド交響楽団などと共演。オックスフォード大学、レイキャヴィーク大学のマスタークラスで、ピアノを指導

Wikipedia ヴィキングル・オラフソン

↓Dicovermusic.jpで彼のユニークさを紹介している記事から抜粋します!

1984年2月14日レイキャビークに生まれたヴィキングル・オラフソンは‥作曲もする建築家の父とピアノ教師の母を持ち、ニューヨークの名門ジュリアード音楽院でピアノを学んだ

‥コンクールというものにほとんど関心を示さず‥自主レーベル「Dirrindí」を設立し、ほぼ1年に1枚のペースで計3枚のアルバムをリリース。そして2012年には、アイスランド出身の演奏家を全面的にフィーチャーしたレイキャビーク・ミッドサマー音楽祭を創設し、自らアーティスティック・ディレクターに就任。

‥いつ受賞できるかわからない国際コンクールなどに目もくれず、自分の音楽を届けるためにレーベルを立ち上げ、さらにフェスまで作ってしまうというのが、ヴィキングルのスタイルで ‥ポップスならともかく、クラシックでこういうキャリアを歩んでいるアーティストは、ほとんど前例がない

ヴィキングル・オラフソンという、とんでもない才能を持ったピアニスト discovermusic.jp

ってとっても興味深い!「クラシック・ピアニストとしては、異例のストリーミング再生回数を誇る」とか「ストリーミング総再生回数6億回越え」なんてお話もあって今後の音楽活動が気になります

角野隼斗、ヴィキングル・オラフソンにインタビュー

↓嬉しい記事

角野さんがインタビューで用意してくれた質問が「それ聞いてほしかった!」ってことばかり。オラフソンがどんな方なのか、とっても分かりやすかったので抜粋します!

私(オラフソン)の生まれ育ったアイスランドには、日本と同じように美しい火山そして噴火さえ現在もあります。大きな島なのですが人口は少ないのです。そこでは音楽のマーケットやその業界も小さいのですがその密度はとても濃いと思います… 

私自身は3歳からピアノに触れ始めたのですが、10代の頃はジャズ・バンドで演奏し、あらゆる種類の音楽を聞いて育ちました。アイスランドは人が少ないため皆で協力(音楽でも)し合わなければならないんですよ。ある日は交響楽団で演奏し、別の日はロック・コンサートで演奏するといった具合に自由な行き来があるんです。

‥5歳からピアノのレッスンを始めました。私の母はピアノ教師、父は建築家で作曲家、ですので家には音楽が溢れていました。居間にはグランド・ピアノ、寝室には古いアップライト・ピアノがあり、そのサウンドがとてもソフトで親しみがあって大好きでした。私が即興演奏やリワークで演奏しているピアノにちょっと似ている気がします。… 18歳でニューヨークのジュリアード音楽院へ入り、それから6年間を過ごしました。カーネギーホールやメトロポリタン歌劇場、ニューヨーク・フィルの演奏会に通ったのは素晴らしい経験です。

その後、5歳からずっと続けてきたピアノ・レッスンをやめました。3年間はコンサートもほとんど開かず“独学”で自分の音楽に取り組むことに。その間は独り家で、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンを練習しました。そうやって自分を分析し、自分で録音をし、自分の長所・短所を理解し、自分を向上させることに努めてきたのです。

頻繁に演奏するようになったのはドイツ・グラモフォンと契約してからです私の実際のキャリアは30歳からで、先ほどの通り、それ以前は長いオフ期間、集中的な独習・自己研鑽の期間だったのです。

3年間独学とか。。なかなか珍しいキャリアの方。オラフソンの影響もありアップライトピアノを購入した角野さん。↓結果できたのが「追憶」

才能のリレーというか掛け算というか‥がスゴい!

会場:香港文化センター(香港カルチャーセンター or 香港文化中心)

↓この時と同じ会場。行き方、座席表、会場VR、地図などの詳細まとめてます!

キャパ2000人程の香港文化センター(写真右下)。前回地下鉄MTRで行ったけど、今回は香港島からフェリーで行ってみた!

今日はバルコニー席を選びました。別の会場だけどベンジャミン・グローヴナーのコンサートでバルコニーに座って以来、気に入ってる!

ヴィキングル・オラフソン香港公演

オラフソンは◯◯コンクール優勝者!ってキャリアではないし、香港にアイスランド人って何人いるんだろう、どんな人達が聴くのかなって思いながら実際来てみると。。お年を召したカップルが多め。若者もけっこういる。あ、小さな子がいないかも(有名コンクール出身アーティストの時は勉強の為もあると思うけど子供たちが頑張って聴きに来ていることが多い香港)。でも何より男性が多くてびっくり!半分以上男性かな〜?これはオラフソン効果なのかバッハ効果なのか‥会場は満席ではないのだけど、なんだか熱心なファンの皆さんから期待感というか、ワクワクオーラがじわっと伝わってくる。私はと言えば。。思えば生オラフソンも初だけどバッハだけの公演も初めて。予習はしたけど「眠れない人が眠る為に作った曲」を休憩なしで一気。まさか途中寝ちゃったり??なんて考えがよぎったり‥

でも始まってみればそんな心配無用‼ わたしを含め皆さん前のめりに最後までオラフソンを見つめて熱心に演奏を聴いていました

プログラム

  • ゴルトベルク変奏曲

プログラム開くとこんなかんじでカッコいい

演奏メモ

途中休憩が無いからだと思うけど、開始予定の8時から更に10分待って会場にお客さんが全員入ったのを確認してスタート。オラフソンがステージに出てくると熱のこもった大きな拍手。席に着くと照明が落ちてオラフソンの周辺だけがライトで浮き上がる。

両手を鍵盤の端と端に広げてしばらくしてから最初の音の用意をしてアリアがスタート。速い。オラフソンのアルバムはラン・ランのアルバムより速いと思ったけど、今日の演奏はもっと速いかんじ。音は思いのほか柔らかい 勝手にもっとキレキレの”しっかりバッハ”を想像してて‥ アップライトピアノの音が好きと言ってたけど、そのイメージかな。少しこもった感じが温かい。ペダルだけでこんな音色を出しているのかな、なにかピアノにしかけでもしているのだろうか、なんて想像したり。そしてこのテンポだと第5変奏とかどーなるんだろう、って思ったけどやっぱり高速〜!そのスピードと美しさ、鮮やかさに皆んな目と耳が釘付け。ランランのライブ動画もアルバムよりず〜っと速い演奏だったけど、本番ってテンポに限らずやっぱりいろいろぜんぜん違う!

そしていよいよ終盤第25変奏のト短調。最後ほんとうに暗〜く沈んで、ここからどーやって次の長調に繋ぐのかな。いきなりパッと明るく??とか思ってたら第26変奏は控えめな音量でスタート。細かい音を重ねて明るい光が差してくる。それ以降はスピードアップ、音量もどんどんアップ。変奏曲ごとにインテンシティが増して柔らかい音色から豪華になって第29変奏辺りでは息吐くタイミングがないほどの光り輝く音が次々押し寄せる「やっぱりいつものスタインウェイだったんだ〜←こもった音を作るしかけなんてなかった!当たり前」で、第30変奏の「キャベツスープの話し」はンランの解釈の記事読んで〜 ほのぼのかと思ったら明るく鐘がなるように重厚に広がり音楽は高まるばかり。こんなに盛り上がってどーやってアリアに戻るのか余計な心配ばかり〜と思ったけど。。長〜〜い最後の音が消えたら遠くからアリアがやってくる。。一周して最後は皆んながホッと満足感につつまれたところで終了。オラフソンが立ち上がると同時にブラボーの大歓声と割れんばかりの拍手。会場皆んなが感謝でいっぱいだったと思います。

カーテンコール、2度目に下がって又出てきた時はマイクを持っていてゴルトベルクについてお話してくれたり、2020年の香港公演がキャンセルになり今回やっと来ることが出来て本当に良かったと話してくれたり。アイスランドからはるばるここまで来ることは自分にとって非常に意味がある。ってことで通常はゴルトベルクでアンコールはしないそうだけど「例外」としてアンコールを弾いてくれることに!それにしてもお話好きなのか、とてもフレンドリーでトーク上手。ジョークも交えて会場とコミュニケーションしながら盛り上げてくれて笑いもたくさん!ずいぶんお話したけど、そこからアンコールの為にさっとバッハに切り替える瞬間もステキです。

アンコール オルガンソナタ BWV528 4番 2楽章

アンコールは「オルガンの為の曲なので、ピアノでどうなるか。。」とこれ又いろいろお話ししてから演奏してくれました。私は初めて知った曲。「和音の豪華さがオルガンだ〜」と思ったけど、私が「オルガン」「バッハ」のワードで想像したよりずっとロマンチックな演奏でほれぼれ、うっとり、そして最後はじ〜んとしました。私は本当にバッハに馴染みがないので、今日はゴルトベルク一気の上にこんなに美しく、そしてただ高貴というだけに留まらないストーリーと人間味溢れるオルガンソナタまで聴けて本当に幸せです。インタビュー記事の中に「ツアー後に再度録音するかも」というのがあったけど、是非お願いしたいです!ワールドツアーと共に成熟したオラフソンのゴルトベルクを又聴きたい!

ゴルトベルク変奏曲

解釈 by オラフソン

↓ゴルトベルクについての解釈いろいろを語ってくれてとても興味深いインタビュー

記事によれば初めて聴いたゴルトベルクはグールドだそう。やっぱりそーなんだ〜「バロック音楽をこんなに大きく、楽しく、しかも速く演奏できるのかと驚きました」と言ってて、テンポや曲作りのベースにはグールドの演奏があるのかなって想像。楽譜や編曲、録音などについてもお話してくれて「オラフソンの音楽をもっと知りたい!」と思いました

解釈 by ラン・ラン

ラン・ランが解釈について話しているインタビューを以前日本語でまとめました。勉強になるしオラフソンを聴くヒントにもなった!

↓音楽いろいろ

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