表紙写真:YouTube:DAY3 Highlight : FUJI ROCK FESTIVAL’22より
予備予選の後に「かてぃんこと角野隼斗のショパンコンクールインタビューについて考える1」って記事書いてそれっぱなしで。。実質これが「2」になりますね。スミマセン‥
コンクール後に角野さんのいろんな記事やインタビューが次々出るから、う〜〜んって考えているうちに去年の予備予選での演奏から1年以上経ってる!
最近はフジロックに参加して話題になっているけど、改めてショパンコンクール後のインタビューを見てやっぱり気になるお話がある!角野さんはコンクール出場中から進化がすごくて、そこからフジロックまで、どんな考え方で活動してきたのかをまとめてみようと思います。→といっても結局自分が残しておきたいリンクを集めたみたいになってます〜
*目次の好きなところから読んでください
絶望から使命感へ
いつも「クラシック音楽ってカッコいいから広めたい」とメッセージしてる角野さん。
ショパンコンクール予備予選の時には「再現芸術に取り組む事への絶望感」があると言ってました。でも「予備予選で素晴らしい演奏に出会い勇気になった」反田恭平さんの音楽を聞いて「感動した。考え方の変化につながる」って話だったけど。
どんな風に考えが変化するのかな〜ってワクワクしていたら、ショパンコンクールが終わった後のこの記事で→
ONTOMO:角野隼斗~音の出し方が変わった!音楽家としての生き方も考えたショパンコンクール
とても心に残るお話があったので考えてみたいと思います。
ショパンコンクールに参加した理由
「よくショパンコンクールに挑もうと思ってくれたなと改めて感じてしまいましたが」というライターの高坂さんの質問に対して、角野さんは
「どうしたら音楽界に貢献できるかを思うようになった」
「僕の場合、名前が知られているので、コンクールを受けたら、(再生回数など)数字的な面でも目立つし、みなさんが勝手に異質な目で見るから、そこに何か付け足すというようなことをしなくても、自然と特別な感じで見てもらえます。だからこそ逆に、正統を目指していくというほうに向かいたいと思ったんですよね」
「もちろん、多様なショパンがあるのを認めることがコンクールの意義でもあるのでしょうけれど、ショパンを僕の演奏から聴き始める人もいると思うので、それがものすごく個性的だというのはどうなのだろうと思うところもありましたし」
ONTOMO:角野隼斗~音の出し方が変わった!音楽家としての生き方も考えたショパンコンクール
と答えてるんだけど、感激しました!
ショパンコンクールへの貢献
お話のなかに「僕の場合、名前が知られているので、コンクールを受けたら、(再生回数など)数字的な面でも目立つし」というのがあったけど、まさにその通り!
Chopin Instituteのチャンネルでショパンコンクール出場者の演奏動画を見ることができるけど、角野さんの動画の再生回数が圧倒的!
例えば第18回ショパンコンクールで入賞した方々の第3次予選の再生回数を見てみると(角野さんは3次予選まで進んだので、皆さんの3次予選と比べてみます!)
- Bruce(Xiaoyu) Liu(1位)62万回
- Kyohei Sorita(2位)122万回
- Alexander Gadjiev(2位)19万回
- Martin Garcia Garcia(3位)13万回
- Aimi Kobayashi(4位)67万回
- Jakub Kuszlik(4位)6.5万回
に対して、角野隼斗さんは137万回!(反田さんはさすがですね~)
因みに角野さん、
- 2次予選は107万回
- 1次予選は280万回 でした。
予備予選は個人の回数は分からないけど、角野さん出演日の再生回数が67万回。反田さん出演日は51万回でそれ以外は全て10万回台。(この再生回数は全て2022年8月現在のものです)
この予備予選では本当にワクワクしたのを覚えてます。ライブで見てて、角野さんの演奏が始まると再生回数がどんどん増えていって魔法みたいだった!角野さんの存在から初めてショパンやショパンコンクール、クラシック音楽に「まずはアクセスして聴いてみる」って皆さんがこの中に沢山いるのかと思うと感動!
コンクール主催者のショパンインスティチュートからは「記録的な人気で予備予選のチケットはずっと前にほぼ完売。世界中からオンラインでの視聴が400万回以上、70万時間以上もありました」という記事も出るほどだったんですよね。まだ予選も始まってないのに、注目度がすごかった!
↓ここで紹介した記事
そして10月に予選が始まってからも上の数字からも分かるように角野さんのコンクール視聴者増加への貢献はとても大きかったと思います!クラシック広まってる〜
→ 結果発表
影響が大きいからこその使命感
次に「ショパンを僕の演奏から聴き始める人もいると思うので、それがものすごく個性的だというのはどうなのだろう」という言葉だけど。
自分が人気者だということ、ファンがクラシック音楽好きにとどまらないという事を分かっていて、そんな方々への影響も考えている角野さんがさすがと思いました。記事では
- 2019年 もっと有名になりたいと思っていた
- 2020年 やりたいことをやっていたら有名になった
- 2021年 有名になったので、どうやって音楽界に貢献できるのか考えている。使命感。責任を感じる
ともあって。
これまでクラシック音楽が自分のジャンルに入ってなかった人たちが角野さんをきっかけにショパンに出会った時に「正統派ショパン」を届けたいという気持ちが、まさに使命感&責任感なのかな、と思います。
過去にはポゴレリチ事件などもあったショパンコンクール。いったいどこまでが「正統派」なの?という話になると説明はなかなか難しいけど、
ポゴレリチ事件
ポゴレリチ事件→1980年第10回ショパンコンクール。テクニックは素晴らしいけど解釈が独特で審査員の意見が割れ3次予選で敗退したイーヴォ・ポゴレリチ。これに納得できなかったアルゲリッチが「彼は天才よ」と言って審査員を辞めて帰ってしまったという有名な事件
予備予選の舞台に出て「ショパンと対峙しているような気持ちになり自分を出し切るのが怖くなった。丁寧に、誠実であることを伝えようと思う気持ちが強くなった」
と言ってる角野さん。自分の感覚で「何か新しいものを提示して審査員にチャレンジする」とかそういった目的ではなく、この「ショパンに誠実に向き合った」結果の解釈であることがきっと大切なんだなって思いました。そういった意味ではポゴレリチも誠実だったと思う
ミュージシャンとしてもユーチューバーとしても既に成功している角野さんが、使命感と責任感を持って正統派音楽を伝える事で「かっこいいクラシック音楽を広めよう」としてくれるなんて!クラシック音楽を聴く人の層をすごく広げることになると信じてます!
音大行ったわけでもないのに、ってゆうか音大行ったとしてもね、ショパンコンクールで3次予選まで行けるってホントにホント〜〜にスゴイ事だから‼
フジロック 2022

音楽を研究して常に新しい事にチャレンジしている角野さん。フジロック2022に参加してましたね!フジロックというからにはロックのフェスティバルなんだけど、そこに出場したのがスゴイ。でも今回はクラシックの人が参加する意義などは省いて曲の話をします
私は見れなかったけど、フジロックではラプソディー・イン・ブルーを演奏したそう。この曲はジャズ要素たっぷりで、このジョージ・ガーシュウィンが作曲したラプソディー・イン・ブルーは「クラシック音楽とアメリカのジャズを融合させた曲」って事でクラシックでもある。ざっくり。そんな曲でも「どこまでアレンジして良いか」なんて事が議論になるほど”お硬い”クラシック。確かにたいていは楽譜のアレンジなんて巨匠にしか許されないんだけど。
でもその長年の硬いところを柔らかく?して”皆んなが楽しめる”クラシックにしてくれたのがランランかなって思ってて。
そしてもっと音楽のジャンルを超えたところからクラシックのかっこよさを教えてくれてクラシック音楽人口を増やしているのが角野さんかなって思ってるんです〜。だってクラシックなのにフジロック。フジロックでクラシック‥
ラプソディー・イン・ブルー
こちら角野隼斗さんのラプソディー・イン・ブルー@サントリーホール。ピアニカがさすが。こんなステキな楽器だったんだ〜って今気付く‥
Cateen’s Piano Live – Summer ’22
↓コレ、フジロックに向けてって言ってましたが、リハ的な意味もあるのかもだけど、スゴイじゃないですか
- 2:53 Dance Macabre – Saint-Saëns
- 6:26 La Fiesta – Chick Corea
- 13:50 Toccatina (8 Concert Etudes No.3) – Kapustin
- 16:13 胎動 – Hayato Sumino
- 20:00 追憶 – Hayato Sumino
- 25:48 Thousand Knives – Ryuichi Sakamoto (千のナイフ – 坂本龍一)
- 31:22 Invention No.4 in D minor, BWV775 – J.S.Bach
- 33:29 Jesu, Joy of Man’s Desiring (主よ、人の望みの喜びよ) BWV 147 – J.S.Bach
- 36:25 ふたたび (Reprise) – Joe Hisaishi
- 37:40 Summer – Joe Hisaishi
- 39:56 Someone to Watch Over Me – Gershwin
- 41:28 Symphony No.2 3rd mov – Rachmaninov
- 42:24 I loves you porgy – Gershwin
- 45:57 Heroic Polonaise (英雄ポロネーズ) – Chopin
途中クラシックのアレンジが入ってるけど、
「こんなアレンジしてみました。編曲角野隼斗。発表します!」とかじゃなくて、色々な音楽の繋がりの中で現れては消え、また現れる。。みたいでかしこまる事なく、誰でも自然に入っていける。
「クラシックは敷居が高い」なんて考えるヒマも無いうちに「クラシックカッコいい!」ってなってるところがスゴイ。皆んなが「バッハ?ショパン?なんかステキ。オシャレでクール〜」みたいな感覚になりそう♡
これを聴いた後に「オリジナルも聴いてみたいかも」って思う人も沢山いるだろうな、って思いました。フジロックをきっかけに、更に多くの人に「クラシックってかっこいい」の輪が広がったのは間違いない!
こんな風にかてぃんワールドの住人が増えて、クラシックを「クラシック」と意識すらしないうちに「もう聴いてる!」人たちが増えていくって魔法〜
そしてこれが日本から始まってるのもスゴイ!わたし「クラシックの常識がガラリと変わる瞬間に立ち会ってるのでは。。」って感じが迫ってきてワクワクする。
このYouTube時代に生きてる、YouTube世代のかてぃんさんをはじめとする皆さんに期待です!
追記:香港公演
↓角野さんが香港でリサイタルをしてくれることに〜‼
ショパンコンクールで演奏した曲や「胎動」「追憶」もプログラムに入っていてワクワクです!
角野隼斗さんの音楽を知る 動画
「厳選クラシックちゃんねる」さんから角野さんの音楽感や考え方を知れそうな動画を貼っておきます
↓影響を受けた人や曲を教えてくれて、角野さんの音楽のバックグラウンドを知るヒントになる
目次:「厳選クラシックちゃんねる:【保存版①】かてぃん登場!角野隼斗の原点「クラシック」/ショパン、ラフマニノフ、ガーシュウィンand…」より
- 0:00 オープニング 角野隼斗さんプロフィール
- 1:14 挨拶
- 1:16 思い出のクラシック ①ショパン ワルツ ホ短調(遺作)
- 2:29 思い出のクラシック ②ショパン スケルツォ第1番
- 3:21 思い出のクラシック ③ガーシュウィン 《ラプソディ・イン・ブルー》
- 4:32 角野隼斗と聴衆
- 5:56 全国ツアー 5,000人との対峙
- 7:08 角野隼斗の原動力
- 8:28 影響を受けた人 ①小曽根真さん
- 8:52 影響を受けた人 ②上原ひろみさん
- 9:08 影響を受けた人 ③ジャン=マルク・ルイサダさん
- 9:48 影響を受けた人 ④ジェイコブ・コリアーさん
- 10:23 影響を受けた人 ⑤坂本龍一さん
- 11:30 影響を受けた曲 ①ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
- 13:05 影響を受けた曲 ②ガーシュウィン 《ラプソディ・イン・ブルー》
- 14:16 影響を受けた曲 ③ショパン・リストの楽曲
- 15:06 チャレンジしたい曲 ラヴェル バルトーク プロコフィエフ
- 17:04 チャレンジしたい曲 トーマス・アデス
- 17:34 チャレンジしたい曲 カプースチン
- 18:15 注目アーティスト ピコ太郎?
- 18:44 注目アーティスト ヴィキングル・オラフソン
- 21:27 角野隼斗ファンにおススメ ①フリードリヒ・グルダ
- 22:33 角野隼斗ファンにおススメ ②フランチェスコ・トリスターノ
- 23:20 角野隼斗お気に入りのYouTube動画
- 24:43 ゲーム音楽の魅力
- 26:38 クラシック初心者におススメのクラシック
- 29:19 エンディング
↓ずっと音楽の研究してきた角野さんがクラシックってなんなのか‥についてお話してくれる。って事はほぼマスタークラスですね。勉強になる〜
目次:「厳選クラシックちゃんねる:【保存版②】96万人登録YouTuberかてぃんが語るディープなクラシックの世界」より
- 0:00 オープニング
- 0:31 角野隼斗とクラシック ①クラシックとは
- 2:27 角野隼斗とクラシック ②多様性
- 3:49 角野隼斗とクラシック ③絶望
- 4:38 角野隼斗とクラシック ④伝承と革新
- 6:58 「国際フォーラム」に込めた思い ①「楽しい」を伝える
- 8:34 「国際フォーラム」に込めた思い ②アップライトでの演奏
- 10:44 角野隼斗 クラシックの魅せ方
- 13:48 角野隼斗と厳選クラシックちゃんねる
- 15:22 角野隼斗とYouTube ①補足情報の提示
- 17:19 角野隼斗とYouTube ②世界観の提示
- 18:02 YouTubeでのクラシックの魅せ方
- 20:14 角野隼斗 特別演奏 ショパン ワルツ第6番 変ニ長調 Op.64-1《子犬のワルツ》
- 21:58 視聴者の皆様へスペシャルメッセージ
- 22:26 インタビュー後の感想
- 22:46 角野隼斗さんコンサート おススメ①ポーランド国立放送交響楽団
- 23:56 角野隼斗さんコンサート おススメ②東京シティ・フィル定期演奏会
- 24:32 現代邦人作曲家って?
- 25:08 エンディング
- 25:37 未公開映像①
- 25:57 未公開映像②
- 26:14 未公開映像③
- 26:42 未公開映像④
第18回ショパンコンクール
↓予備予選から3次予選まで、角野隼斗さんが演奏した全ての曲の演奏リンクをまとめました。
↓ショパンコンクール関連の記事
↓この記事書いた頃は57.7万人だったチャンネル登録者数。今は102万人(2022年8月4日)。おめでとうございます〜。まだまだこれからですね!
↓ショパンインスパイア作品リリースされました
コメント
ジェイコブ コリアーさん→ジェイコブ コーラーさんでは?間違っていたらすみません💦
お読みいただき有難うございます〜!目次リンクはYoutubeチャンネルから引用させていただいています。引用元を付け加えさせていただきました!
時間のリンクをクリックすると角野さんがその話題についてお話しているところに飛びます。今回は角野さんと同年代のジェイコブコリアーさんのお話をされてます。
ジェイコブ・コーラーさんってピアニスト、コメントいただき初めて知りました!有難うございます。ゆっくり聴いてみますね♡
これからもどうぞよろしくお願いします〜!!