NBAの試合が「延期」されてたけど、再開することになりました。
ジェイコブ・ブレーク銃撃事件
プレイオフ延期のきっかけになった事件についてCNN.co.jpのニュースから一部引用します↓
(CNN) 米ウィスコンシン州で、黒人男性が車に乗り込もうとしたところを背後から警官に撃たれて重傷を負う事件があった。警官2人は24日から休職扱いとなり、州司法局が銃撃の経緯について捜査に乗り出した。
男性側の弁護士によると、車の中には3~8歳の子ども3人がいて、父親が撃たれる場面を目撃していた。
ウィスコンシン州知事によると、警官に撃たれた男性はジェイコブ・ブレークさん(29)。弁護士によれば、病院の集中治療室に入院しており、容体は安定しているという。
警官が黒人男性を銃撃、子ども3人の目の前で 米ウィスコンシン州
詳細については引用のリンクからニュースを見ることができます。(動画には銃撃のシーンが含まれます)
銃撃した警官の発表
ここからの日にちは現地時間
この事件があったのは23日。そしてブレークさんを撃った警官が発表されたのが26日。
New York Postによると,ブレークさんを7発撃ったのはRusten Sheskey。警官としては7年のベテラン。
女性と口論していたので(してなかったという話も)逮捕のとき制圧のためにまずテーザー銃(スタンガンの一種)を使用。それだけでは十分じゃなかったので車に乗り込もうとしたところを7回背後から撃った、とあります。
別の記事によるとその後警察の会見が開かれ「ブレークさんがナイフを持っていた」と発表。この発表では「ナイフが車内から発見されて、彼が持ってた」と言ってるけど、「正確にいつ手にしたのかはわからない」「どこかの時点で手にしたのだろう」とのこと。「テーザー銃のあとにナイフを手にしたのか」という記者の質問には答えを拒否。そして警察はボディーカメラを装着していなかったとあります。
BLMのきっかけになってる数々の事件で、警察の隠蔽体質が度々問題になってます。わたしの意見だけど、今回の会見をみても、答えられない質問がたくさん。ナイフについての説明もすごく曖昧。そしてこの手の事件で、いつもボディカメラをつけてなくて映像が無いのは何故でしょう。これでは警察は誠実な対応をしてると言えないと思います。
バックスのボイコット・プレイオフの延期
現地時間8月26日(水)と27日(木)の試合が延期になりました。
ジェイコブ・ブレーク銃撃事件が起きて以来、26日以前から抗議の姿勢を示していたNBA選手やコーチたち。ラプターズが試合をボイコットするかも、などとニュースがあったけど、26日の第1試合にスケジュールされてたミルウォーキー・バックスがまずボイコットしました。
スポーツライターのフランク・イソラによると、最初にジョージ・ヒルが「試合に出ない」と言ったことで、次にスターリング・ブラウン、そしてヤニス・アデトクンボが続きチームとして試合をボイコットしたそう。
だってミルウォーキーってウィスコンシン州だし、事件のあったケノーシャってミルウォーキーにわりと近くていてもたってもいられませんよね。ブラウンは元NBA選手のシャノン・ブラウンの弟で、以前駐車違反して捕まったときにテーザー銃を使用されたこともあります(この時は警察はボディカメラを装着していて後に映像を公開した)。
水曜のミーティング
バックスのボイコットの後、NBAはこの日の試合を延期。選手たちは話し合いを繰り返してきました。ESPNによれば水曜の夜のミーティングではレイカーズとクリッパーズだけがこのまま試合をせずにシーズンをキャンセルするという意見だったそう。SIはレブロンはシーズンを中止することに投票して途中で退席、レイカーズとクリッパーズの選手たちが後につづいて出ていったと書いてます。みんなとても感情的になってて、結論を出すには時間が必要だとも。とりあえず木曜もミーティングをすることになりました。
木曜のミーティング
そして木曜。
ESPNによれば選手だけでなく、オーナーたちのミーティングも開かれました。そのミーティングの前にマイケル・ジョーダンがNBPAのプレジデントをしてるクリス・ポールにアプローチ。選手たちの気持ちや何を望んでいるのかを聞きました。オーナーミーティングでは主に、選手たちの声をどうやって世の中に届けるかということに終始。そしてジョーダンも含めてほとんどのオーナーが社会を変えるにはシーズンを続けることがもっとも効果があると信じて続行に賛成。
同じ頃、選手たちもシーズンを再開することを決定しました。
今後のスケジュール
延期された試合の新しいスケジュールがリリースされました。写真は香港時間です。日本と1時間の時差があります
8月30日(日)
香港時間3:30am/日本時間4:30am から3試合
8月31日(月)
香港時間1:00am/日本時間2:00am から3試合
まとめ
家族と離れてバブルに来て、コートにはBLACK LIVES MATTERの文字。ユニフォームにはソーシャルジャスティスのメッセージ。試合後のインタビューでは人種差別問題について話してきたのに、またジョージフロイド事件と同じような事件が起きてしまった。「何も変わっていない」と思える事態に、選手たちは想像もできないような絶望感でいっぱいだったのではないかと思います。
クリッパーズのコーチ、ドック・リバースの言葉です。
「自分たちを愛してくれない国をなぜ愛し続けるのか」
”Why do we keep loving this country, and this country does not love us back.”
ドックのお父さんは警官でした。警察が正しい対応をしないと、一生懸命働いてる警官もかわいそう。ジョージフロイド事件のときにも「一部の警官の行為で自分たちの日頃の努力が台無しだ」と言ってる警官がたくさんいました。
ジョーダンや他のオーナーが言うように、このままバブルを去ってしまっては社会になんのメッセージも送れないと思うのです。「なんで今日は試合がないんだろう」と思って「こんな事件が起こっているんだ」と知る人もいるかもしれない。世界が注目したときに、どんなに叫んでも届かない街の人の声を、NBA選手に世界中に届けてほしい。選手だけで難しかったら、オーナーやリーグ、スポンサー企業と一緒に取り組んでほしい。ボイコットするみんなの気持ちもわかるけど、少し落ち着いたら、そーゆーことに気づいてほしいって思ってたから、頑張って再開の決断ができてよかった。
コロナに人種差別問題。つぎつぎと困難が出てくるけど、それはNBAだけではなく、世界も同じ。だからこそ選手たちに勇気を出して前に進んでいく姿を見せてほしいです。
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