2010年の第16回ショパンコンクールで最年少ファイナリストとなったニコライ・ホジャイノフさん。ショパンコンクールのインタビューがとっても興味深く、どんな演奏をするのか気になって気になって。。そして演奏聴いたらまたいろいろ考えさせられたので、まとめてみました!
ニコライ・ホジャイノフ インタビュー
XVIII Chopin Competition Competitors→Nikolay Khozyainov – interview
↑こちらは4分40秒フルインタビューのバージョン。質問に答えるという形式で行われていますが長いのでまとめます。ホジャイノフさんがピアノを始めたのは5歳。
「ピアノにとても魅了された。ピアノはオーケストラのようでどんな音でも出すことができる。人の声でさえ。これは他の楽器には真似できないことで、ショパンはこの事をとても良く理解していたからピアノの曲を好んで書いた。ショパンは人の声に触発されていて彼の音楽は”人の声”に関連したメロディーで溢れてる。だから”人の声”はショパンの音楽にはとても重要だ」
パンデミックの最中、コンクールの準備はどのようにしたのか
「難しくはなかった」「何もかもキャンセルされて時間がたくさんあったから、ショパンの曲を全て録音することにした。あと5曲を残すだけでそれ以外は全て録音した。パンデミック以前はショパンの全ての曲を知っていたわけではないが、この録音で全ての曲を知った。そのことで視点が完全に変わり、より理解が深まった。言葉を学ぶのと同じで、最初はところどころしか理解できなくても、流暢に話すようになればフレーズや文献など違った見方をするのと同じだ」(前回書きましたがホジャイノフさんは語学がとっても得意です)
ショパンはどのように演奏されるべきか
「作曲家が作曲したときの状況全てを知る必要がある。だから自分はいつもオリジナルの原稿(楽譜)を勉強する。数週間前にショパンミュージアムに行ってオリジナルの楽譜を見せてもらった。実際に触れて念入りに見る事を許可してくれて、とても特別な体験だった。だってショパンに触れたんだから。彼が上から消したところや、何か変更した跡を実際に見ることはとても重要だ。なぜならそれでどのように作品が作られたかが分かるから。この作業なしに曲を”Recreation 再現・再構築”するのは不可能だ。ところでショパンの曲を演奏するのに”Play 弾く”という言葉は軽すぎる。”Recreation 再現・再構築”という言葉を使いたい」
あなたにとってショパンとは
「ショパンはよく”弱い””病気”などと表現されるが、心の中はとても強く精神が破綻することはなかった。彼の妹は結核にかかって3週間で亡くなったのに、ショパン自身は結核をかかえて20年も生きた(死因にはいろいろな説があります)。確かに病気だったかもしれないが、彼の意思は非常に固く精神はとても強い。こういった事は彼の音楽の中で聴くことができるので大変重要なこと。自分にとってショパンは無くてはならない存在であり、素晴らしい詩人だ。音楽家に限らず、すべての詩人の中で最も優れていると思う」
ってお話でした!
牛田さんの記事を書いた時も「楽譜を勉強する」という事への執着がすごいと思いましたが、ホジャイノフさんのお話もとっても勉強になります。そしてそんなホジャイノフさんの演奏が気になるのでリンクを貼っておきます〜
ニコライ・ホジャイノフ 予備予選
↓演奏のほかプロフィール、受賞歴などもこちら
ニコライ・ホジャイノフ 1次予選
4曲ともマイナー(短調)の曲を選んでます‼
*この回は時間のリンクがありませんが、↑この7日午前の動画で2:42:00あたりからホジャイノフさんの演奏が始まります。
12.30 – 13.00 NIKOLAY KHOZYAINOV (Rosja / Russia) https://chopin2020.pl/en/competitors/…
- Etude in C sharp minor, Op. 25 No. 7
- Etude in B minor, Op. 25 No. 10
- Etude in A minor, Op. 25 No. 11
- Ballade in F minor, Op. 52
ニコライ・ホジャイノフ 2次予選
8曲も演奏してます〜!
11.20 – 12.00 NIKOLAY KHOZYAINOV (Rosja / Russia) https://chopin2020.pl/en/competitors/…
- Polonaise in A flat major, Op. 53 (1:30:39)
- Waltz in A flat major, [Op 69 No. 1] WN 47 (1:38:01)
- Waltz in F major, Op. 34 No. 3 (1:42:53)
- Ballade in F major, Op. 38 (1:45:33)
- Fugue in A minor, Op. posth. (1:53:24)
- Mazurka in E minor, Op. 41 No. 1 (1:55:53)
- Mazurka in F minor, [Op. 68 No. 4] WN 65 (1:58:05)
- Barcarolle in F sharp major, Op. 60 (2:00:05)
ニコライ・ホジャイノフ 3次予選
*この回は時間のリンクがありませんが、最初の演奏がホジャイノフさんです
10.00 – 11.00 NIKOLAY KHOZYAINOV (Rosja / Russia) https://chopin2020.pl/en/competitors/…
- Nocturne in C minor, Op. 48 No. 1
- Mazurkas, Op. 59 – No. 1 in A minor/ No. 2 in A flat major /No. 3 in F sharp minor
- Prelude in C sharp minor, Op. 45
- Sonata in B minor, Op. 58 – Allegro maestoso /Scherzo. Molto vivace /Largo /Finale. Presto non tanto
まとめ
ショパンコンクールはとてもハイレベルで誰がファイナルに行くのか、誰が優勝するのか全くわかりませんが、すばらしいピアニストがたくさん参加しているのは間違いありません!
↓ホジャイノフさんはインタビューで言っていた「ショパン全曲録音」の演奏をTwitterでシェアしてくれています!(インタビューの時はあと5曲残っていると言ってたけど、バルカローレ(舟歌)を最後に200曲以上の録音が完了したようです。おめでとうございます〜)
演奏はホジャイノフさんのYouTubeチャンネルでも聴けます。
審査結果・審査員の採点表
採点表が公表されました!
↓牛田さんも2次予選ではバルカローレ(舟歌)演奏しててステキでした。是非聴き比べを!
↓こちらの「楽譜を読むこと」についての牛田さんのお話も勉強になります!
コンクール以外でもこんなに簡単に演奏にアクセスできるなんて、ホントに素晴らしい世の中になりました!
↓3次予選に進出した皆さん
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