↓第18回ファイナルの日程
↓ショパンコンクール関連記事のリスト
先日、反田恭平さんがショパンコンクールでファツィオリのピアノ選ぶんじゃないかなーって記事書いたのですが↓
その中でワルシャワフィルと共演した際にショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏していました。「2番は弾かないのかな」と思ったあと、「そーいえばショパンコンクールってみんなよく1番弾いてるような。。」と思ってちょっと調べたら、ホントに2番を弾く人ほとんどいない!みなさん何故1番を選択するのでしょうか?
ショパンのピアノ協奏曲
ショパンコンクールって↓
Wikipedia:ピアノ協奏曲第1番 (ショパン)/ピアノ協奏曲第2番 (ショパン)とショパンコンクール公式サイトのルール「Rules of The Eighteenth International Fryderyk Chopin Piano Competition VII」を参考にしています
ピアノ協奏曲(コンチェルト)って、ピアノをソロの楽器としてオーケストラと演奏する曲のことです。
ショパンは
- ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
- ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21
の2曲を作曲してます。
どちらもショパンが若い頃、まだポーランドに居た頃に書かれた作品です。
1番は20歳、2番は19歳の頃作曲したもの。ってことは2番が先に書かれたってことです。後に書いた1番が先に出版されたので順番が逆になってしまいました。
5年に一度開かれるショパン国際ピアノコンクールのファイナルでは、この2つのピアノ協奏曲からどちらかを選んで弾くのが課題になってます。選曲は出場者の自由です。
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
第2番よりあとに作曲されたからか、一般的にこの第1番の方が評価が高いし人気もあります。
より緻密、とかドラマチックと言われてます。
ピアノが常に主役で、「オーケストラがメロディーでピアノが伴奏」ってことがほとんど無いから、まさにピアノの為の協奏曲。時間も第2番に比べて長い。いろいろな演奏をチェックするとだいたい40分から44分くらい。
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21
ショパンが19歳だったこの頃、ワルシャワ音楽院声楽科の生徒コンスタンツィア・グワドコフスカという彼女に片思いだったらしくて。その思いを伝えられずそのまま曲にして出来たのが第2番と言われてます。
この第2番は繊細、優雅、ロマンチックなどと表現されて「まさにショパン!」のような形容詞が並びます。
1番に比べオーケストラとのハーモニーが多く、演奏時間は1番より短くてだいたい32分から34分くらい。
ショパンコンクール、1番なのか2番なのか
第17回ではファイナルに進出した10名のうち9名が第1番を選びました。
ただ一人、シャルル・リシャール=アムランさんが第2番を選曲したのだけど、。。
ピアニストでエッセイストの青柳いづみこさんの記事が大変面白かったので引用させていただきます。
明らかにオーケストラが準備不足。リハーサルに立ち会った関係者の情報によれば、第1楽章を通したところでオケの部分練習が始まってしまい、アムランはずっと待っていたという。
とあります。そんな〜。
これだけ次々1番を選択したら、わたしも「一度だけ2番弾くってどんなかんじなんだろう」ってちょっと気になってたけど。。
青柳さんによると過去ファイナルで協奏曲の第2番を選んで優勝した人は
「ヤコフ・ザークと第10回のダン・タイ・ソン」の2名だけ!
そしてこんな事もおっしゃってます。
「第17回ショパン・コンクール、チョ・ソンジンとシャルル・リシャール=アムランの順位を分けたのは、協奏曲の選曲だったと言えよう。」2番は「演奏時間が短く、難しいわりに効果が上がらない。」とばっさり。。
まとめ
とにかくさまざまな理由で1番が有利なのが分かりました。
ショパンコンクールのファイナルなんていったいどんなプレッシャーなのか。ピアノがイニシアチブを取りやすい上にドラマチックで演奏も映えるのなら、オーケストラとの演奏経験が少なかったり、知らないオーケストラと演奏する時など第1番を選びたくなりそうです。
第17回で第2番を弾いて2位になったシャルル・リシャール=アムランさん。彼はとても歌を紡ぐのが上手いと評判でしたが、1番を選ばなかったから優勝を逃したっていうより2番を選んだからこそ2位になれたのでは?って考え方もあるかな、なんて。。でもオーケストラのコンディションまで考えるとホント難しい。
もちろんアムランさんが1番選んでたらその結果は。。なんて分かりません。でもこのまま毎回ファイナルで2番を弾く人がいなくなっちゃったら寂しいです(2番を選んだ人たちがファイナルまで残ってないとも言えるけど)。わたしは2番がスキだからもっと沢山の人の演奏聴きたいと思うけど、コンクールは通常の演奏会とは目的や環境が違うから、選曲も勝負の重要な要素。自分のスキな曲って理由だけで選ぶわけにもいきません。そーゆうのはコンクールで結果を出して本格演奏活動スタートしてからでも良いかもしれないし。
第18回は何人が第2番を演奏するのか、是非注目したいです。
第17回で2番を選んだシャルル・リシャール=アムランさんのファイナルの演奏
ショパンがあちこちに!演奏中ずっとショパンが溢れてるんだけど〜。ショパンはこんなスゴイ曲作ってる間に「好き」って言っちゃえば良かったのに。でもそしたらこの曲は出来てなかったのか。コンスタンツィアもこの演奏聴いたらきっと「Yes」って言ってたと思う!
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21
1番を選んで優勝したチョ・ソンジンさんのファイナルの演奏
なんか。。やっぱり映えます。聴き応えも納得の1番。そして演奏もすばらしい〜‼
ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
第18回課題曲一覧
第18回ショパンコンクールの予備予選からファイナルまでの課題曲一覧
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